No.170 いと高き方の隠れ場に住むこと

家の灯り

詩篇91:1~2
いと高き方の隠れ場に住む者 その人は 全能者の陰に宿る
私は主に申し上げよう。「私の避け所 私の砦 私が信頼する私の神。

それは、戦時下のオランダでのことです

コーリー・テン・ブームが、戦争の時に経験した話です。

その晩、付近では空中戦が行われているようで、爆撃音が聞こえていました。コーリーは、なかなか眠ることができずにいました。

そんなとき、台所で姉のベッツイーが動く音を聞きます。これ幸いと起き上がり、話し相手にしようと駆け出しました。爆発音が響き、食器棚がガタガタ揺れる中、ベッツイーは紅茶を沸かし、二人は紅茶を飲みながら、小一時間ほど、おしゃべりをします。

そして、再び、寝室に戻ったコーリーは、ベッドの上に大きな金属片を発見するのです。

それは、長さが十インチ(約25センチ)ほどの、ギザギザの金属破片でした。
「ベッツイー」と私は声をひきつらせて、手にりゅうさん弾の破片を持ち、階段を駆け下りました。二人は、食堂に戻り、明かりの下で、それを見つめました。
ベッツイーは、私の手に包帯を巻きながら「枕の上にあったのね」と、何度も言いました。
「ベッツイー、もし、私が、台所で、あなたの動く音を聞いていなかったら…」
ベッツイーは、私の唇に指を当て、それ以上言うのを制しました。
「コーリー、それを言ってはいけません。神様の世界に『もし』という言葉はないはずよ。そして、ほかの場所より安全な所なんて、ありっこないのよ。神のみこころの中心だけが、私たちにとって、ただ一つの安全な場所なんだから。
わたしの隠れ場 コーリー・テン・ブーム著 いのちのことば社

私たちには、ほんの一時間後の未来さえ予測できません。

何が起こるのか分からないので、なんとか安心して暮らしたいと、私たちは備えをします。

備えあれば憂いなしと言いますが、どれだけ周到な用意をしても心配事が完全になくなることはありません。

確かに、備えることも必要でしょう。

しかし、最も大切な備えは「いと高き方の隠れ場に住む」ことです。

私たちは「どこが安全か」「なにが必要か」ということを探し回るのはやめましょう。

ただ「主のみこころの中にいることができますように」と求めましょう。

どんなときでも「全能者の陰」が一番安全なのです。

主よ、あなたこそ私の避けどころです
主よ、あなたは私の砦です
私はあなたに信頼します。