No.334 山は移ります。信じるならそのとおりになるのです。

山と海

マタイ17:20
イエスは言われた。「あなたがたの信仰が薄いからです。まことに、あなたがたに言います。もし、からし種ほどの信仰があるなら、この山に、『ここからあそこに移れ』と言えば移ります。あなたがたにできないことはありません。

日曜学校で習ったとおりに祈ったのです

ずいぶんと昔の話です。兵庫県明石市にあった「日の出女児園」で起こった恵みの証です。

小さな大四郎ちゃんのために、どうしても日当たりの良い部屋が必要でした。

大四郎ちゃんの病気は「回復の見込みはない」と医者に言われたのです。そこで「日の出女児園」の人々は、大四郎ちゃんを退院させて、自分たちの園で最後まで看護しようと決めたのです。

医者が出した退院の条件は「日当たりの良い部屋を確保すること」でした。

先生は裏の窓から外をのぞいて思いました。「あの土の山さえなかったら! あの山のおかげで太陽がささないわ。」
せんせい(アイリーン・ウェブスター・スミスの生涯)ラッセル・ヒット著 田辺和子訳 ICM出版

部屋はなんとか確保できそうでしたが「日当たりがよい」という条件は満たせそうにありませんでした。

「女児園」の裏には「土の山」があったからです。「丘」とも呼べないような「盛り土」があったのだと思います。しかし、それは「人の手」で移動させるには難しいものでした。

「女児園」の人たちは、自分たちで「土の山」を動かそうと考えました。実際に、女性の先生方と、子どもたちだけで「シャベル(スコップ)」を使い、毎日毎日、土を移動させていたのです。

そのような作業では、日当たりを確保するまでに何年もかかってしまうのではないかと思えます。実際、その作業は「やればやるほど、大変になっていくように」感じました。

失望の色が濃くなったとき「女児園」で祈り会がもたれました。そこで、一人の少女がこう祈ったのです。

「イエスさま。こないだの日曜学校で、もし私たちにからし種ぐらいの信仰があったら、山でも動かすことができると習いました。イエスさま、私たちの山も動かすことができるように、どうか助けてください。」
せんせい(アイリーン・ウェブスター・スミスの生涯)ラッセル・ヒット著 田辺和子訳 ICM出版

この少女の祈りが、そこにいる人々の信仰を沸き立たせました。

イエス様は言われました。

「もし、からし種ほどの信仰があるなら、この山に、『ここからあそこに移れ』と言えば移ります」と。

しかし、本気で「信じて祈る人」がどれぐらいいるでしょう?

主は言われます。

「あなたがたにできないことはありません」

あなたは、この主のことばを心から信じていますか?

さて、「せんせい」と呼ばれていた「アイリーン・ウェブスター・スミス師」は、後ろ髪を引かれつつ、子どもたちと「山」を残して出張に出かけなければなりませんでした。しかし、三週間後、戻って来た「せんせい」は、まさに「奇跡」を見たのです。

あの裏の「土の山」は、跡形もなく消えていました。

なんでも、労働者をいっぱい乗せたトラックがやって来て、あっという間に「土の山」を崩してトラックに乗せて運び去ってしまったと言うのです。

「私たち、ただあぜんとするだけだったのよ」とマーシーは言いました。「それで聞いてみたの。いったいどうしてここに来たのか、そしてその土をどこに運んでいくのか。現場監督が言うには、以前に海だったところを、子どもたちの遊び場にするために埋め立てることになったんですって。それで、山が必要だったということなの!」
せんせい(アイリーン・ウェブスター・スミスの生涯)ラッセル・ヒット著 田辺和子訳 ICM出版

私たちの「シャベル(スコップ)」は、もう置きましょう。私たちの無力を嘆いていても何も変わりません。

祈りましょう。ひざまずいて、子どものように純粋な信仰が与えられるように求めましょう。

「山」は動きます。からし種ほど小さくても「信仰」があるなら移るのです。

主よ、信じます
私の目の前の山よ、ここから移れ!
純粋な信仰を与えてください