ヨハネ14:27
わたしは、あなたがたに平安を残します。わたしの平安を与えます。わたしは世が与えるのと同じようには与えません。あなたがたは心を騒がせてはなりません。ひるんではなりません。
世の与えるのとは同じようには与えません
イエス様は、私たちに平安を与えてくださいます。それは、世の中の方法では得ることができない平安です。
これは、もうダメだろうと思うときに与えられる平安です。痛みや悲しみが重なって、もう耐えることができないと思うときに与えられる平安です。
H.G スパフォードは、「やすけさは川のごとく(聖歌476番)」を作詞した人です。
彼は、成功した弁護士でした。1人の息子と4人の娘に恵まれ幸せに暮らしていました。
しかし、彼の人生に悲劇が襲います。まず、息子を病気で亡くします。そして、シカゴ大火(1871年)で彼の事業は大きな損失を負います。投資した不動産の大半を焼失したのです。
スパフォード家は、悲しみを乗り越えるためにイギリス旅行を計画します。それは、当時の伝道者D.Lムーディと福音歌手サンキーの宣教に同行するという旅行でした。彼は、この旅行が家族のためになると考えたのです。
仕事の都合で、スパフォード自身は、後から追いかけることとし、家族だけが船に乗って先に旅立ちました。
しかし、その後、彼に絶望としか言えない知らせが届きます。家族を乗せた船が沈没したというのです。彼の手元に一通の電報が届きました。短い電報でした。
「母のみ助かる(Saved alone mam)」
沈没した船に乗っていた愛する娘たちは天に召され、妻だけがかろうじて助かったという知らせです。彼は電報を握りしめながら、部屋で泣き伏しました。どうして、こんなことになったのか。息子に続いて娘たちまで。財産も失った。もう立ち直ることはできないと思えました。
この時、彼の心を慰める言葉を思いつける人が誰かいたでしょうか? 言葉を失うとは、まさにこのような状態のことを言うのです。
しかし彼はまさにその時、彼のたましいの中にイエス様のお声を聞きました。「恐れるな、心安かれ、われなり」と。「私が共にいる。天国に行った子どもたちも私と共にいる。あなたの妻とも共にいる。恐れるな。」
イエスから目を離さないでいなさい 有賀喜一著 いのちのことば社
世の中の誰も、彼を慰めることはできなかったでしょう。しかし、主は「ただ一言」で彼の心に平安を満たしたのです。「恐れるな。心安かれ、われなり」
この後、スパフォードは「やすけさは川のごとく」という聖歌を作詞したのです。
その昔、弟子たちが怯えてしまったときにも言われました。
主は、怯える私たちにも言われます。
「しっかりしなさい。わたしだ。恐れることはない」
何が起こっているのか分からないことがあります。どうしてこうなったのか分からないことがあります。誰のことばも届かないことがあります。決して立ち直れないだろうと思うことがあります。
しかし、イエス様は「わたしは世が与えるのと同じようには与えません」と言われます。世の中のすべてが「無理だ」と叫んだとしても、主は、あなたに平安を与えることがお出来になるのです。
「わたしの平安」と言われる「世のものとは違う平安」が、今日もあなたに与えられますように。
主の平安を感謝します。
世のもとは与え方が違うと言われる方を感謝します。
イエス様の平安をお与えください。